血圧が高い状態が長く続く症状を高血圧症といいます。
長期間血圧が高い状態が続くと、血管に負担がかかり、各組織でトラブルを引き起こします。中でもダメージを受けやすいのが脳と心臓と腎臓です。
また、血管に常に負担がかかるため、血管が硬くなり、動脈硬化が進行していきます。
第一に生活習慣の改善
高血圧の治療で、一番大切なことは生活習慣を改善することです。
具体的には、適度な運動、減塩、減量、節酒、禁煙です。
また、最近は高い血圧を下げる働きのある食品成分がいろいろと発見され、有効な臨床データもでており、国もその有用性を認めた食品(特定保健用食品)が販売されています。
こういった食品を利用することも、生活習慣改善の為には有用と考えられます。
塩分を控える
塩分摂取を控えることで、血圧を下げる事ができます。今日から、塩分控えめの食事を試してみましょう。
醤油やドレッシングは、かけるのではなく、つける
かけてしまうと、ついつい量が多くなってしまいます。
別のお皿に出してちょっとずつ付けて食べるようにしましょう
減塩醤油を使用する
減塩醤油でも、量を増やすと普通のお醤油と同じになってしますので、注意してください。
毎日少しずつ塩分を減らしていく
急に減らすと、味がなくなり食事が楽しくなくなってしまいます。
塩分もちょっとずつ減らしていければ、徐々にその味に慣れていきます。
酸味、出汁、香辛料を使用して味付けをする
特に酸味は塩分を引き立たせますので、減塩を達成しやすいです。
お味噌汁は、具だくさんにして、1日1杯までにする
野菜を食べて、塩分を排出する
野菜に入っているカリウムには塩分を体の外に排出する働きがあります。
高血圧の症状
高血圧はサイレントキラーとも呼ばれ、症状がほとんど表れません。
高血圧と診断される直前から肩こりがひどくなった、頭痛がするようになったという方もいますが、ほとんどの方は症状がありません。
健康診断や、最近では自宅で血圧を測る方も増えているので、その数値を診断の基準としています。
ただ、健康診断で血圧の値を指摘されても、症状がなく、生活に支障がでたりする事が極めて少ないため、診察を受けないまま放っておいてしまう方が多いのも実際です。
高血圧の原因
ホルモンの病気が原因であったり、遺伝的(両親とも高血圧の場合は、子供が高血圧になる確率は約50%、片親が高血圧の場合には30%前後というデータもあります)な要因もありますが、多くは、肥満・糖尿病予備群・ストレス・喫煙・飲酒・睡眠時無呼吸症候群の生活習慣が原因で発症し、実際高血圧の方はこの中のいくつかに該当していることが多い傾向にあります。
心臓や血管を健康に保つための治療
高血圧治療の目的は、血圧を下げることそのものではなく、将来の心臓や血管の病気にならないように、またその結果としての心疾患や脳卒中を防ぐことにあります。
具体的な治療は、血圧の高さのレベル、また高血圧以外の心臓や血管の病のリスクがどのくらいあるかによって分けられ、治療方法は変わってきます。
治療については患者さまの全身の状態をきちんと診断し、説明を行わせていただいた後、治療をスタートさせていきます。
わからないことや薬についての不安などありましたら、お気軽にお尋ねください。またご自分で血圧値をつけていらっしゃる方は来院時にお持ちください。