心臓弁膜症とは、心臓の中の弁の異常を来す疾患をいい、大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべん きょうさくしょう)、僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべん へいさ ふぜんしょう)などが有名な疾患です。
(他には、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、三尖弁閉鎖不全症、肺動脈弁狭窄症もありますが、比較的まれな疾患になります。)
大動脈狭窄症は、弁が狭くなってしまい血液が通過しづらくなってしまう疾患であり、僧帽弁閉鎖不全症は、逆に弁が緩くなってしまったために血液がしっかりと流れなくなってしまう疾患です。
心臓弁膜症の症状
各々の弁膜症によって、症状は異なりますが、共通した症状としましては、動悸、息切れ、体のむくみ(特に足が多いです)があります。
大動脈弁狭窄症では、胸痛、失神などを起こすこともあり、これらの症状が出た場合は、すぐに循環器内科を受診するようにしてください。
心臓弁膜症になってしまう原因は?
心臓弁膜症の原因は、生まれつきなもの(先天的)と、生活習慣やケガ、細菌の感染によるもの(後天的)などがあります。
生まれつきなものは 、子供の頃は小児科で、大人になったら循環器科での定期的な診察が必要となります。
不摂生などの生活習慣によるものは徐々に症状が進みますので、気づきにくく、発見が遅れてしまうことがしばしばあります。
心臓弁膜症になってしまったら!生活上の注意点
心臓弁膜症と診断された場合は、必ず定期的に循環器科に通院を行い、定期的な心臓超音波検査を受けてください。医師の指示にしたがい、内服を行い、心臓の負担になるような生活習慣を改める必要があります。
時に水分制限や運動制限などを行うこともあり、主治医としっかりと相談をしてください。
心臓弁膜症の治療方法
心臓弁膜症の治療法は、運動療法や、食事療法のほかに、お薬を用いた内科的な治療が中心となります。
内科的治療をしていく中で、適切な手術のタイミングとなった場合は、心臓の手術を行います。
手術では、開胸手術(胸を開いて行う手術です)が以前から行われている治療法となりますが、最近では手術ではなく、足の付け根の血管から管を入れるカテーテル治療が発達し、弁膜症治療の選択肢として選ばれることも多くなっています(ただし適応があり、個々の症例によって、各々の治療法に向き不向きがありますので、主治医および外科医と相談して方針が決定されます)。