不整脈とは、心臓の鼓動が一定ではなくなる状態を指します。脈拍がゆっくりになったり(徐脈)、速くなったり(頻脈)、飛んだり不規則になったりします。
不整脈には健康な人にも見られる問題のない不整脈から、生命に関わる重大な不整脈までいろいろな種類があります。
不整脈の原因は加齢や生活習慣がほとんどです
不整脈は心臓にかかわる症状のため、心臓の病気が隠れていることもありますが、特に心臓に病気がなくても、以下が誘因となって発生することもあります。
- 年齢
- ストレス、疲労、睡眠不足
- 体質、遺伝
- 飲んでいる薬の一部
高齢になると、特に心房細動に注意です
心房細動は加齢とともに多くなります。近年の高齢化社会に伴い、その人数は増加しています。
心臓の症状が脳にまで影響することも
心房細動によって心房のポンプ機能が弱まると、心房内に血液が停滞することで血栓ができやすくなります。
そうした血栓が全身に運ばれることで血栓症が起きますが、血栓が脳の血管につまることで起きるのが脳梗塞です。
不整脈はどうやって診断するの?
不整脈の診断は、心電図検査を中心に行われます。
企業健康診断や、お住まいの自治体による健康診査を受けている方であれば、その範囲で心電図検査も行われている場合が多くそこで見つかる事も多いです。
これらの健康診断が、不整脈を自覚する大きなきっかけになりますので、検査を受けて終わりではなく、診断結果も見るよう心がけてください。
しかし不整脈が短時間しか出現しない場合、一般の心電図では不整脈を記録することができないことも多く、診察室では不整脈がないものの、ご自宅でたまに起きる、そのような不整脈の方が、圧倒的に多いです。
不整脈の検査方法は複数あります。
各検査方法には、長所と短所があります。患者様の不整脈の出現頻度、状況に応じて相談しながら検査を決めていきますので、ぜひ一度ご相談ください。
不整脈の検査方法
①24時間心電図(ホルター心電図)
電極(シール)を貼付し、24時間の心電図を記録する方法です。
この検査の最大の利点は、不整脈を複数の方向から観察が可能ですので、不整脈の起源がわかります。
短所は24時間のみの記録であることと、装着中は入浴ができないこと、そしてわずかに機械が大きい事です。
記録時間が24時間ですので、その間に不整脈が出なければ、当然記録ができないです。
②Heartnote
電極一体型であり、少し大きめの絆創膏を貼るようなイメージの心電図です。
特徴は、薄く小さい(厚さ5mm、30mm×100mm、重量12g)ことです。
また防水性能も携わっており、半身浴が可能です。
最大の特徴は、最長で7日連続して記録が可能であり、従来の24時間心電図に比べて記録できる時間が大幅に増えました。
短所は、1方向からしか不整脈を検出できないので、不整脈のあり、なしの判定はできますが、不整脈の起源まではわからない事です。
③携帯型心電計
下図のような機械を貸出しして、ご自身で記録を頂く装置です。
特徴としては、不整脈が出たと自覚できたタイミングで記録ができる事です。
他の記録法と比べてシールを貼りっぱなしにする必要がないので、負担が最も少ないです。
記録もその場で確認が可能であり、記録も胸に機械を押し当てるだけで簡単です。
短所は、不整脈が自覚してから機械を胸にあてるまでに少し時間がかかりますので、30秒以内に治まってしまうような不整脈では記録が難しいです。
記録する際に肌の露出が必要になりますので、屋外での使用が困難である事です。
日常生活の中でのサインも見逃さないようにしましょう
徐脈性不整脈(脈拍がゆっくりの不整脈)
- ふらっとする
- めまいがする
- 少し身体を動かしただけで息切れする
頻脈性不整脈(脈拍が速い不整脈)
- 胸がどきどきする
- 少し身体を動かしただけで息切れする
- 急に意識がなくなる
期外収縮(脈拍のリズムが定まらない不整脈)
- 胸に不快感がある
検査で異常が出たら、まずは受診しましょう
それが治療への第一歩です
不整脈は自覚症状が出にくい場合もあり、検査で異常がわかった場合でも放っておかれることがあります。
日常生活の中で受診する時間が取れなかったり、中には重い病気と診断されることが怖いから受診をされないという方もいるかもしれません。
しかし、それまで自覚症状がなかったのに、いきなり一刻を争う症状が出る場合もあります。
自分の症状を理解して、うまく付き合う方法を見つけることで、予め対策を取っていれば重大な事態を防げる場合も多く、日常生活への影響も最小限に抑えることができます。
そのお手伝いをするのが私の役目と考えております。