高尿酸血症とは血液中の“尿酸値”が高い状態を言います。
尿酸値が高い状態が長く続くと、激痛を伴う痛風や尿路結石、腎不全などの合併症に繋がります。
尿酸値を指摘されたら早めに治療を行いましょう。
尿酸値が高い状態が続くと、激痛を伴う「痛風」になることも
高尿酸血症そのものは症状を伴うことはありませんが、尿酸値が高い状態が続くと、突然足の関節などに激しい痛みと赤い腫れが起きる痛風になってしまうことがあります。
痛風は、発症から数時間後には歩けなくなるほど痛みが強くなり、1週間程度で痛みはおさまっていきます。
痛風は、関節に溜まった尿酸塩の結晶を白血球が攻撃することで起こります。
尿酸塩は、血液中の尿酸値が高い状態(高尿酸血症)でできやすくなります。
痛風だけじゃない!
放っておくと腎臓病や尿路結石になることも
高尿酸血症の状態が長く続く場合、尿中の尿酸値も高くなりやすく、尿道内でできた結石が大きくなると尿路結石になってしまいます。
また、尿酸値が高いと腎臓に負担がかかり、腎不全になってしまうこともあります。
予防のために生活習慣を見直そう!
治療の際には尿酸値を下げるお薬も併用しますが、高尿酸血症の方は、同時に高血圧や肥満などの生活習慣病も指摘されていることが多いです。
高尿酸血症も生活習慣に密接に関わっていることが多いため、予防にはまず生活習慣を見直してみましょう。
尿酸は、食事中に含まれているプリン体が、身体の中で代謝されてできます。
プリン体の多い食事
一般的にはレバーや魚卵(イクラ・ウニ・白子など)、ビールが有名です。
それ以外では、カツオ、エビ、干物(マアジ、サンマ)などもあります。
どれも旨み成分の多い、おいしい食材で、味が凝縮したような食材に多く含まれています。
痛風発作の際に、これらの食事を摂ることは、オススメできませんが、内服などで検査値が安定している場合には、時にこれらの食事を摂ることもできます。
健康診断などで尿酸値を指摘されたり、すでに痛風になった方は、痛風を再発しないように生活習慣の見直しや、尿酸値をコントロールするお薬で治療をしていきます。
痛風の痛みが出ている場合(痛風発作)は、炎症止めを服用することでまず痛みを抑えます。
【+α】ビール以外のアルコール飲料のプリン体について
アルコール飲料に含まれる「プリン体」量
地ビール(350ml) | 16.0mg~58.3mg |
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ビール(350ml) | 11.6mg~34.2mg |
発泡酒(350ml) | 3.9mg~13.7mg |
日本酒(180ml) | 2.2mg~2.8mg |
ワイン(200ml) | 0.8mg |
ブランデー(60ml) | 0.2mg |
ウイスキー(60ml) | 0.1mg |
焼酎25%(60ml) | 0.0mg |
参考文献:2019年度改定 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版
最近ではプリン体オフのビールや発泡酒が発売されていますし、上の表を見ますと焼酎、ウイスキー、ブランデー、ワインなどはプリン体が少ないので、たくさん飲んでも大丈夫のような印象を受けます。
たしかに、プリン体オフのビールや焼酎の方が、通常のビールに比べて尿酸値が上がりづらいですが、アルコール自体が身体で代謝される際にもプリン体が生まれます。
お酒にどれくらいのプリン体が入っているのかを知ることも大切ですが、飲み過ぎない事の方が大切です。
適量を守って、飲酒を楽しみましょう。
*参考、飲酒の適量(1日あたり)
・ビール:350~500mL
・日本酒:1合
・ウイスキー:60mL
・ワイン:150mL